口腔がん進行にコレステロール量が関連

  • ニュース, 医療のお話
  • 2023年5月18日

  口腔(こうくう)がん細胞内のコレステロール量が増加すると、がんを進行させる可能性があると、新潟大大学院の研究グループが発表した。

   生体維持に欠かせないコレステロールは、食事からの摂取以外に細胞内でも作られる。一方、血液中のコレステロール値が高い状態が続くと、動脈硬化などの病気につながる恐れがある。これまで、がん細胞内にはコレステロールが多く含まれていることが報告されているが、その役割は十分に分かっていない。

   研究グループは、口腔がん組織を培養して細胞内のコレステロールを人為的に増減させる実験を行い、細胞の変化を観察した。

   その結果、コレステロールを減らすとがん細胞は縮小し運動性が低下したが、増やすと形が変化し、高い運動性を示した。また、コレステロールを増加させた細胞では、コレステロールに結合するタンパク質がまとまって存在し、がんを進行させる可能性が示唆された。

  (メディカルトリビューン=時事)

過去30日間の紙面が閲覧可能です。