アルツハイマー病の診断に最適な指標の組み合わせを発見したと、新潟大の研究グループが発表した。
物忘れが進むアルツハイマー病は、脳にアミロイドベータ(Aβ)の沈着やタウと呼ばれるタンパク質が蓄積し、神経細胞の減少が起きる。研究グループは、それらのバイオマーカー(指標)を調べることで病態を詳細に把握できると報告しているが、指標の組み合わせによる診断の有用性は検討されていなかった。
研究グループは、2013年から22年にかけて558人の脳脊髄液を採取。臨床診断から「アルツハイマー症候群」と「非アルツハイマー症候群」に分け、Aβやタウ、神経細胞の骨格成分を測り、比較と解析を行った。
その結果、「Aβ42」と「Aβ40」という2種類のAβ比率の測定と、神経細胞の骨格成分指標が正確な診断に適していることが分かった。これらを組み合わせて解析すると、アルツハイマー病と考えられるのは、アルツハイマー症候群の約6割にとどまることが示された。
(メディカルトリビューン=時事)