白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)は13、14両日、体験学習館別館3で古式舞踊に現代舞踊とデジタルアートを融合したステージ「ロストカムイ」特別公演を行った。ロストカムイは、阿寒湖アイヌシアター「イコロ」(釧路市)で上演されている演目。地域連携事業の一環で、28日までウポポイで開催している「伝統ト革新展」の関連企画。
明治以降に絶滅したエゾオオカミ「ロストカムイ」を象徴とし、アイヌの人々の「天から与えられたものに無駄なものなど一つとしてない」といった自然観などを歌や踊りで表現した舞台で、13日には約40人が来場した。阿寒湖コタンとウポポイの踊り手計9人が映像にあわせて約30分にわたり舞踊を披露し、最後は来場者と会場いっぱいに輪踊りを行い、大きな拍手で締めくくられた。
「ロストカムイ」プロデューサーの床州生さん(57)は「観客との輪踊りはコロナ禍でこれまでできなかったが、3年ぶりに白老で実現できた」と喜んだ。
一方、国立アイヌ民族博物館では14日まで開催されていた同館のテーマ展示の一環で、阿寒口琴の会の会員3人によるムックリ(口琴)やウポポ(歌)が披露された。