白老町の仙台藩白老元陣屋資料館のまとめによると、2022年度の入館者数は前年度(5308人)の1・75倍に当たる9290人に達し、収入額も2倍以上の131万4130円に上った。入館者数が9000人を超えたのは14年度以来8年ぶり。昨秋に北海道遺産に選ばれたことや、町民有志の長年の支援が実を結んだと同館はみており、今後も魅力向上や誘客を積極的に進める考えだ。
同館は町民入館料が無料。22年度の町外からの有料入館者は5033人で、前年度の2399人から2倍以上に増えた。一般や小中学生の団体利用がそれぞれ約2・4倍、2・1倍と伸びが大きかった。町民の入館者も4257人で前年度の約1・5倍に増えた。
22年度は複数のバス会社が札幌からの定期観光便のルートに同館を加えたことも、町外からの来館者増につながった。武永真館長はさらに、「友の会による細やかなガイドボランティアやイベント開催時の人的支援など、町民有志の陰日なたのサポートがあったからこそ」と感謝する。
今年度も、4月22日から5月7日まで開催した札幌刀談義会員所蔵愛刀展の来館者数が1169人と前回(21年11月)に比べ262人増え、好調を維持している。サクラの満開時期と展示期間が重なったことや、こどもの日のイベントが晴天に恵まれたことも影響したとみられる。
7月には北海道遺産選定記念特別展「幕末と維新を生きた北の防人 仙台藩白老元陣屋」を開催し、展示解説講演を行うほか、9月には「岩谷堂足軽の視点」と題する記念特別講演なども予定しており、さらなる来館者増に期待がかかる。武永館長は「今後も地元の歴史や文化について学びを深める取り組みを進め、魅力を町内外にアピールしていきたい」と意気込んでいる。