【ニューヨーク時事】トランプ前米大統領(76)から性的暴行を受けたとして、女性作家ジーン・キャロルさん(79)が損害賠償などを求めて起こした民事訴訟で、ニューヨークの連邦地裁陪審は9日、キャロルさんの主張をおおむね認め、トランプ氏に総額500万ドル(約6億7600万円)の支払いを命じた。米メディアが伝えた。
トランプ氏の性犯罪が法的に認定されたのは初めて。一貫して疑惑を否定してきたトランプ氏は評決を受け、SNSで「この女性が誰なのか見当もつかない。魔女狩りの続きだ」と反発した。トランプ氏の代理人は控訴する方針を表明した。
陪審は男性6人、女性3人で構成。1990年代に高級百貨店でトランプ氏と遭遇し、更衣室で暴行されたとのキャロルさんの告発について、トランプ氏が同意なしに性的接触を持ったと全会一致で認定した。
また、トランプ氏がSNSで告発を「作り話だ」などと否定したことが名誉を傷つけたとも判断した。ただ、キャロルさんが求めたレイプの事実認定は、立証が不十分だとして退けられた。
審理は4月25日に開始。キャロルさん側は、当時被害に遭ったとの相談を受けたという友人らが証言台に立った。一方、トランプ氏は一度も出廷しなかった。
キャロルさんは9日の声明で「この勝利は私だけでなく、(性被害告発を)信じてもらえずに苦しむ全ての女性のためのものだ」と歓迎した。