全国で相次いだ広域強盗事件を巡り、警視庁は、窃盗容疑で、フィリピンを拠点とした特殊詐欺グループのリーダー格渡辺優樹(39)、グループ幹部の今村磨人(39)、小島智信(45)各被告=いずれも窃盗罪で起訴=を10日に再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、渡辺被告らは2019年4月ごろ、警察官などになりすまして埼玉県内の高齢女性にうその電話をかけ、キャッシュカード3枚を窃取してATMから現金約150万円を引き出した疑いが持たれている。
同庁によると、グループはフィリピンを拠点に活動。被害総額は60億円超に上るとみられ、これまでに国内外で70人以上が逮捕された。
フィリピン当局が2019年11月、拠点にいたメンバー36人を拘束。渡辺被告らは摘発を逃れたが、同年12月~21年4月、同国で拘束された。今年2月に日本に移送され、同3月までに窃盗容疑で逮捕、起訴されている。
一連の強盗事件では「ルフィ」や「キム」を名乗る人物が秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」を通じ、実行役らに指示を出していた。
警察当局は幹部4人の中に指示役がいるとみて、押収したスマートフォンの解析などを進めている。