心の不調、早めにケアを 国立精神・神経医療研究センターがサイト開設

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  • 2023年5月9日
こころの情報サイト
こころの情報サイト

  眠れない、おなかが痛い、怒りっぽくなった_。そんなストレスや心の病気のサインに早めに気付き、対処するための知恵をまとめた「こころの情報サイト」を、国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)が4月、開設した。

   ストレスには人間関係など「日常生活でのストレス」と、試験に落ちる、事故に遭うなどの「思いがけないストレス」がある。この二つのストレスの合計がその人の許容量を超えると、精神状態が悪化し、眠れないなどの症状が表れる。その状態が長く続けば活力が失われ、精神疾患のリスクが高まる。

   日常のストレスは、睡眠、食事、運動などの生活習慣を整えて小さくする。日常のストレスがたまったときや、思いがけないストレスが起きたときは、気分転換を試みる。家の外に出る、ゆっくり呼吸するなど、自分に合う方法を探しておこう。

   同センターの金吉晴・精神保健研究所所長は「実際にあった出来事より、そのことばかり考えることで悩みの方が大きくなってしまう。そんなときは気をそらすとよいのです」と話す。

   問題点だけでなく、うまくいっていることにも注意を向けるなど、物の見方を少し変える。友人や家族など気軽に話せる人を増やしておき、つらいときに話を聞いてもらう_なども有効だ。

   サイトでは、うつ病や不安症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの精神疾患についても解説する。4人に1人が生涯に経験するとも言われる身近な疾患で、薬やカウンセリングで治癒し得るのに、十分知られていないと指摘。不眠などの症状が長く続いていたり、生活に支障が出ていたりする場合は、早めに専門家に相談するよう呼び掛けている。

   「日々のストレスを減らし、健康的な生活を送ってほしい。心のバランスが崩れたときは早めに気付き、1人で無理するのではなく相談や受診をしていただきたいです」

   この他、支援団体、患者会などの相談窓口や、治療費の助成制度もまとめた。こころの情報サイトはhttps..//kokoro.ncnp.go.jp/

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