最大震度6強の地震に襲われた石川県珠洲市で8日、被災住民が公的支援などを受けるために必要な罹災(りさい)証明書の申請受け付けが始まった。住民からは「ほっとした」との声が上がった。
二次災害を防止するため、市は6日から建物の応急危険度判定を開始。県のまとめによると、8日までに352棟で被害が確認された。
空き家となっている実家の証明書発行のため、説明を聞きに来た吉野由紀子さん(74)=同市三崎町=は、「(受け付けが始まって)ほっとした。ありがたい」と胸をなで下ろした。実家は塀が土台から崩れ、屋内は足の踏み場がなく住める状態にはないといい、証明書発行を受けて修理する予定だ。
申請書を受け取りに来た男性(78)=同市正院町=は、昨年6月に起きた地震で修理した自宅の瓦や壁が再び破損した。「今は寝食のための場所しか片付けていない。これからゆっくりと直していきたい」と話した。
市によると、夕方までに16件の申請があった。証明書は申請から1週間ほどで発行される予定で、担当者は「被災した住民が早く日常を取り戻せるようにしたい」と語った。