胆振管内で新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が増え続けている。管内の医療機関で確認された日別感染者数は4月以降、前週の同じ曜日を上回る日が増加。大型連休で人の動きもさらに活発化している。8日には感染症法上「2類相当」が「5類」に引き下がり、毎日の全数公表から週1回の定点公表に変わるが、苫小牧保健所は「病気の性質が変わるわけではない。各自の判断で場面に応じた対策を」と啓発している。
「全数把握」の簡略化に伴い、道が公表方法を改めた昨年9月27日以降、管内の感染状況は同11月がピークで、今年に入ってからは小康状態が続いていた。しかし、4月以降は前週の同じ曜日を上回る日が増え、25日の日別感染者数は113人と、2月9日以来約2カ月半ぶりに100人超。大型連休に入り感染者数は減ったが、医療機関を受診していないケースが多いとみられ、同保健所も「連休で人流が活発化され、連休明けに感染者数が増える可能性がある」と見通す。
同保健所によると、東胆振1市4町では昨年1月の「第6波」以降、ワクチン接種率が低い30代以下の若年層を中心に感染が拡大し、重症化リスクの高い高齢者らにうつる構図が続いている。同保健所は「風邪症状など少しでも体調に異変を感じたら、自宅で休んでいただくことが基本。普段から1週間分程度の食料品や常備薬、抗原検査キットを用意しておいて」と呼び掛ける。
一方、8日の5類移行に伴って、感染者数も「全数把握」から、インフルエンザと同じ「定点把握」に変わる。現在は胆振管内の医療機関全ての感染者情報を毎日公表しているが、8日以降は毎週金曜の週1回、保健所管内(東胆振1市4町)の定点医療機関、計8カ所(予定)の平均患者数を公表する。国の方針でインフルのような「注意報」「警報」の指標は当面設けず、感染動向を見極めながら拡大防止に資する情報を発信する予定で、同保健所は「コロナはインフルと違って季節でゼロにならず、上がったり下がったりを繰り返してきた。場面に応じた有効な感染対策を皆さんにしていただけるよう変わらず取り組む」としている。