苫小牧市音羽町2の「夢酒(むっしゅ)ダイニングなか里」の「タンドリークラフトチキン」(900円)は、苫小牧クラフトスパイスの味わいを存分に生かした一品だ。
鶏肉の仕込みではヨーグルトやタマネギ、ニンニクなどと一緒に漬け込む際、同スパイスも加えて冷蔵庫で数日、保存。スパイスの味を肉に十分に染み込ませた上、さっと焼き上げる。皿に盛り付ける際に再びスパイスを振り掛け、サラダを添えて提供。スパイシーな香りと一緒に柔らかくてジューシーな肉のうま味を堪能できる。
「苫小牧クラフトスパイスには辛みの成分が入っていないので、幅広い年代に好まれる」と話すのは、同店のオーナーシェフ中里隆徳さん(58)。同スパイスの開発に携わった地元シェフの一人で「苫小牧名物にするなら子どもに食べてほしくて、食育にもつなげたかった」とこだわりを語る。
苫小牧自生のヤチヤナギの香りからスパイス化のアイデアが浮かび、試作品の評判は上々だったが収穫量が少なく、活用を断念。試行錯誤の末、香りは穏やかで、口に入れると深いうま味が広がるオリジナルスパイスを完成させた。中里さんは「どんな料理や食材にも合う万能の調味料。アレンジも多彩にできる。その魅力を広く伝えていきたい」と力を込めた。
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苫小牧市音羽町2の9の18。営業時間は午後5時~午後10時(ラストオーダー午後9時半)。日曜定休。電話0144(36)6100。