むかわ町穂別富内の銀河ステーション裏手にある大きな花壇で23日、花植えが行われた。詩人・宮沢賢治が設計した西洋花壇「涙ぐむ眼」を、地域住民が造っていく春の恒例行事で、地域住民や町職員ら25人が約1700株のパンジーで花壇を彩った。
涙ぐむ眼は、1927(昭和2)年ごろの賢治のノートに記されていた当時では新しかった西洋式花壇の試みの一つ。86年10月限りで廃線となった旧国鉄富内線の線路や駅舎が残る場所に、地域の有志でつくる「ほべつ銀河鉄道の里づくり委員会」(服部啓三会長)が中心となって花壇を整備している。
花植えは1時間ほど行われ、幅17・5メートル、奥行き9メートルほどの楕円(だえん)形をした花壇には白や黄色、紫など色鮮やかな花々が並んだ。成田忠則副町長は「途中で雪が降るアクシデントもあったが、きれいな花で彩られ、非常に喜ばしい」とあいさつした。
服部会長は「最盛期は80~100人が花壇整備に集まっていた。(人口減少などにより)人数は少なくなったが、地域に住むほとんどの人が来てくれて作業をすることができた」と感謝の言葉を述べていた。