政治と言葉

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2023年4月24日

 中国に「朝三暮四」という古い寓話がある。内容はこうだ。貧乏になった男が餌代を削るため、飼っている猿たちに言った。「お前たちにやる木の実をこれから朝三つ、晩は四つにしようと思う」。食い物が減らされると、激怒する様子を目に今度は「ならばこうしよう。朝は四つに増やす。晩は三つでどうか」。数は変わらないのに、巧みな話術にごまかされたとも知らず、猿はみんな喜んだ―。国民を猿に例えるわけではないが、言葉のすり替え、その場しのぎ発言が横行する昨今の政界を思い起こす物語である。

 選挙前は減税をにおわせ、当選してしまえば手のひら返しの増税議論。だまし打ちのようなやり口を何度見たことか。岸田政権が発足時に掲げ、支持を集めた「所得倍増」はいつの間にか「資産所得倍増」に言葉が化けた。賃金を2倍にする勇ましい政策と思いきや、急にうやむやにした上、投資で稼ぎなさいと。株に金を回す余裕などない。無責任な転換にあきれた人は多かったのではないか。

 どうせ何も変わらない―。政治への諦めと不信感が選挙投票率の下落を招いている。今春の統一地方選も各級で過去最低を更新した。政治家が言葉の誠実さをおろそかにし続ければ、国民との乖離(かいり)はさらに広がるだろう。(下)

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