学生と先生と、 藤沢(ふじさわ) レオ

  • ゆのみ, 特集
  • 2023年4月22日

  北海道大学大学院での学生生活と、札幌市立大学での教員生活と、今まで通りのアーティスト生活。今年の春は、生活全体のペースが全くつかめないまま、なだれ式に始まりました。

   2月に合格通知を受け取った北大大学院では、年の離れた学友たちに教わりながら、少しずつ学校生活が快適になってきました。授業では一つのテーマについて全員で議論を交わし、休み時間にはお互いの研究について語り合います。そして、論文や研究発表の制作に欠かせないパソコンアプリや情報共有システムが、想像できなかったほど充実していて、すっかり興奮気味です。すべてが学生個々の研究を支えるために機能していて、このサポートにこれからしっかり応えていこうと気を引き締めています。

   講師として勤めることになった札幌市立大学では、1年生の授業を受け持ちました。これからモノを作るための材料のことや道具のこと、心構えや思考方法を伝えていきます。第一に学生のことを考え、慎重に言葉を選び、一人ひとりを尊重し、学び合える空間づくりを目指しています。

   こうして新しい環境でスタートを切った印象を書いてみると、これまで活動してきた苫小牧市や市樽前地区での経験のすべてが今に生きていると強く感じられます。これまで関わり続け、育ててくれた方々に改めて感謝の念が湧いてきます。

   幾つかのわらじを履き続けることは容易でないかもしれませんが、学び、伝え、作る暮らしは自身の生きる意味を問い続けてくれそうです。

  (彫刻家・苫小牧)

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