沖縄県の宮古島周辺で10人が乗った陸上自衛隊ヘリコプターの事故で、陸自トップの森下泰臣陸上幕僚長は20日の定例記者会見で、海中から引き揚げられ死亡が確認された5人は隊員の可能性が高いとし「痛恨の極みだ。遺族に心からお悔やみ申し上げる」と話した。その上で「全員が家族の元に帰るため全力を尽くす」と述べ、残る1人の収容と未発見の4人の捜索を急ぐとした。
また、ヘリに第8師団長の坂本雄一陸将に加え、宮古島警備隊長の伊與田雅一1等陸佐が搭乗していたことを認め、2人の後任人事を発表した。死亡が判明する前の人事発令については「捜索状況や南西地域での任務遂行を総合的に判断した」と説明している。
海中で見つかった事故機の一部とみられる物の回収については「一刻も早く、確実に引き揚げるため民間の力を借りる」と強調。21日にも民間サルベージ会社と契約し、早ければ今月下旬にも作業を始めるとした。
原因究明の鍵を握るフライトレコーダーは機体に固定されており、深海での取り外し作業が困難なことや機体の損傷状況を考慮すると、回収は引き揚げ後になる見通しという。
第8師団長の後任は第11旅団長の青木伸一陸将補。宮古警備隊長は比嘉隼人1等陸佐で、いずれも21日付。