むかわ町の竹中喜之町長が、同町出身で2010年にノーベル化学賞を受賞した鈴木章北海道大学名誉教授(92)とおよそ6年ぶりに再会を果たした。今月17日に道内の鈴木教授宅を訪問し、胆振東部地震からの復興過程や現在進めているまちづくりについて伝え、温かい激励を受けた。
町では鈴木教授の協力の下、毎年、小中学校などの長期休暇中、道の駅「四季の館」内にある記念ギャラリーにノーベル賞メダル(レプリカ)を展示。子どもらが地元の大先輩から刺激を受けるようにしている。一方、鈴木教授は町産米を定期的に取り寄せているほか、震災後には応援メッセージをつづった直筆の色紙を町内の全小中学校、高校にプレゼントするなど古里を気に掛けていた。
今回、竹中町長と町の担当職員は、レプリカのお礼と返却を兼ねて鈴木教授宅を訪ねた。旬のレタスやアスパラ、ホウレンソウなど地元の野菜を届けたほか、1時間ほど近況報告や思い出話に花を咲かせた。
鈴木教授は地元の川でシシャモを取った幼少時の思い出を振り返りながら、「むかわのシシャモは他とは味が違う。ここ数年(町内では)不漁が続いているが、川がある限り、必ず戻ってくる」と力強くエール。「むかわから出て何十年もたちますが、やはり今でも忘れてはおりません。それだけ私にとっては懐かしい故郷であります。(中略)立派なむかわのまちを創ってくださることをお願いしたいと思います」というメッセージを録音して寄せた。
メッセージは、町の広報などを通じて紹介する予定。竹中町長は「しっかりといろんなお話をさせていただき、元気をもらった。お会いできてよかった」と言い、「皆さんにも鈴木先生の元気な姿をお見せできたら」と話していた。