微弱電流を流す経皮的電気刺激(TENS)により、慢性腰痛患者の運動時の痛みの軽減が確認されたと、畿央大(奈良県広陵町)の研究グループが発表した。
慢性腰痛を持つ日本人は約38%と推定されている。治療法の一つに、痛みを感じない程度の電流を流すTENSがあるが、運動時の痛みに対する有効性は十分検証されていなかったという。
研究グループは、慢性腰痛患者80人を、高周波数TENSの刺激を与えるグループ、変調周波数TENSの刺激を与えるグループ、実際には電流を流さないプラセボグループに分け、前屈運動時の痛みの軽減効果を比較した。
その結果、プラセボグループに比べ、周波数を変調させて刺激の感覚を変えながら行ったグループでは、TENS直後および30分後の運動時の痛みが軽減した。研究グループは「TENSは副作用がほとんどなく、操作が簡単な家庭用機械も販売されている。今後は、日常生活場面での効果を検証したい」とコメントしている。
(メディカルトリビューン=時事)