春の陽光が差し込む白老町のポロト湖畔の森で、小さな芽を角のように伸ばし、花を咲かせる草花たちの柔らかな香りが漂う。ミズバショウ、ナニワズ、エゾエンゴサクなどの香りで、花の色がそれぞれ違い、森の中の彩りも豊かにしている。湖の周りをぐるりと囲む散策路の沿道で見頃を迎え、訪れる人たちを和ませている。
雪解け水を満々とたたえ春風に水面を揺らすポロト湖周辺は、暖かい季節の訪れを五感で味わえる絶好の場所。散策路は約6キロあり、町民のウオーキングスポットとして親しまれている。
ミズバショウは、湖に注ぐ小川のほとりに群生し、黄色や薄緑の花を包んだ純白の苞(ほう)を開き始めた。かれんな姿で人々の心をつかんでいる。
エゾエンゴサクは、10センチほどに伸びた茎に幾つかの小さな花を付ける。花色は水色や薄紫。静かな林地で輝きを放つ姿は、「森の妖精」と称されている。
ナニワズは群落となり、散策路の日の当たる沿道で、黄色く小さな花を咲かせている。
関係者によると、いずれの花もゴールデンウイーク(GW)まで見られるという。慌ただしい日常を忘れ、自然の持つエネルギーを存分に感じ取ってみては―。