高齢者が日常的に体を動かすことで運動機能や認知機能の状態が良好となり、「ウェルビーイング」(幸福度)が高くなることが分かったと、富山大の研究グループが発表した。
同グループは、富山県内に住む65歳以上の健康な高齢者45人を対象に、認知機能や歩行機能の検査、生活の質(QOL)や幸福度に関するアンケートを実施。主観的な精神的健康、特にウェルビーイングと、日常的な身体活動、運動機能、認知機能との関係性を調べた。併せて日常的な身体活動量も計測した。
分析の結果、日常の身体活動の多さが運動機能の高さと関連し、運動機能の高さが認知機能の高さに影響し、さらに認知機能の高さがウェルビーイングの高さにつながるという一連の因果関係が示された。
研究グループは「相互関係の起点である日常的身体活動を活性化することで、身体的、精神的、社会的なフレイル(虚弱状態)を予防、改善し、健康寿命を延ばすための知見を得た」としている。
(メディカルトリビューン=時事)