高齢者が徒歩か自転車で移動しようと思う距離と、将来の要介護および死亡リスクに関連が見られたと、筑波大などの研究グループが発表した。
同グループはこれまで、徒歩や自転車で移動が可能と思える距離(許容距離)が短い人ほど外出頻度や社会交流が少なく、抑うつ傾向が強まることなどを報告している。今回は茨城県笠間市の高齢者7618人を8年間追跡調査。徒歩や自転車移動の許容距離と、要介護、死亡リスクとの関連を調べた。
その結果、要介護リスクは許容距離が徒歩で1キロ以上の人に比べ500メートル以内の人で高く、自転車でも、2キロ以上の人より1キロ以内の人で高かった。死亡リスクは、徒歩が300メートル以内、自転車は1キロ以内で高く、自転車に乗れない人が最も高かった。
研究グループは、徒歩で1キロ、自転車で2キロの移動を許容できることがリスクを上げない目安になると指摘。「徒歩や自転車での移動意欲を高く保つことが健康寿命に重要」と総括している。
(メディカルトリビューン=時事)