沖縄県の宮古島周辺で10人が乗った陸上自衛隊のヘリコプターが消息を絶った事故で、自衛隊は17日までに、深い海で潜水士が活動する「飽和潜水」による捜索で、海底に沈んだヘリの胴体部分と乗員とみられる5人を発見した。
このうち男性2人が16日に収容されたが、いずれも死亡が確認された。17日にも2人が収容され、心肺停止状態という。自衛隊は身元の特定を急ぐとともに、残る1人の収容を検討する。
陸自は機体の引き揚げを民間のサルベージ会社に依頼し、21日にも入札で業者を決める。契約期間は6月末までで、原因究明のため、なるべく早い機体回収を目指す。
陸自によると、事故機とみられる機体の一部が見つかったのは、宮古島と橋でつながる伊良部島の北約6キロ、水深約106メートルの海底。16日午前8時半ごろ、海自の潜水士が目視で確認し、機内や周辺を調べたところ5人が見つかった。
事故原因の究明に欠かせないフライトレコーダー(飛行記録装置)は見つかっていない。発見できていない5人について、新たな手掛かりは得られていないといい、範囲を広げて捜索している。
機体は13日に海自の掃海艦が見つけ、水中カメラで人影を確認。自衛隊は詳しく調べるため、加圧装置で高い水圧に適応させた飽和潜水士を現場に投入した。
ヘリは6日夕、離陸の10分後に発見地点から約4キロ離れた伊良部島北側の洋上でレーダーから消えた。坂本雄一第8師団長ら10人が乗り、上空から地形を視察していた。