本州の各地で平年より2週間も早いサクラの開花が続いた。早咲きは北海道でも変わらず、渡島管内松前町では11日、函館市でも14日に、平年より14~16日も早い開花宣言が行われた。例年なら大型連休中に咲く、わが家の庭のエゾムラサキツツジも、すでにつぼみが紫に色づいた。温暖化という言葉を思い起こしながら花の季節の訪れを喜ぶ日々が続く。
サクラが咲けば、山菜。「食べた?」と気の早いやりとりが聞こえ、スドケやウド、フキのかすかな苦みが鼻の奥に広がる。そして山菜といえばヒグマだ。札幌の住宅街から数百メートルの所で、パトカーやカメラを意識しながら、くつろぐ若グマの姿がテレビに映っていた。4月1日には釧路管内厚岸町で犬を散歩させていた女性が襲われ、頭に大けがを負っている。ヒグマの春はもう始まっている。
道の集計によると、2022年度のヒグマによる人身事故の負傷者は4人。21年の14人(うち死者4人)より大きく減少した。それでも、自宅近くで農作業中の高齢の夫婦が襲われるなど重大事故寸前の事故が多かった。花の情報に誘われて山に入る人は、まず市町村などでヒグマの情報を確かめて。山菜は冬眠あけのヒグマたちの主食でもある。人間は少しだけいただく立場。お間違いなく。(水)