沖縄県の宮古島周辺で10人が乗った陸上自衛隊のUH60JAヘリコプターが行方不明となった事故で、海上自衛隊は14日午後、深い海でも作業可能な「飽和潜水士」による捜索に着手したが、作業途中で中止した。政府関係者によると、機材トラブルが発生したという。海自は15日朝の再開を目指している。
海底で発見された機体の主要部分とみられる物の周辺では、複数の人影のようなものが見つかった。現場の水深は100メートル超で暗く、無人機では詳細が分からないため、自衛隊は高い水圧に適応させた飽和潜水士の投入を決定。周辺の潮流などを調べ、安全に活動できることを確認した上で、14日午後に作業を開始した。
しかし、政府関係者によると、潜水士を乗せたカプセルを海底に下ろす途中、機材に不具合が生じ、現場に達する前に中止したという。
ヘリは6日夕、宮古島と橋でつながる伊良部島の北方約3キロの洋上でレーダーから消失。防衛省関係者などによると、13日夜、さらに数キロ北の海底に機体のような物が沈んでいるのを、海自の掃海艦が発見した。
カメラを積んだ水中無人機などで調べたところ、損傷しているが形はとどめており、座席や人影のようなものが複数確認できたという。
ヘリには宮古島の地形を上空から視察していた坂本雄一第8師団長ら10人が搭乗。これまで機体の破片やヘルメットが回収されたが、安否につながる手掛かりは見つかっていなかった。