2年前に特大ヒラメで「釣り倶楽部」の紙面を飾った苫小牧市川沿町の高田登美男さん(70)が10日、今度は47センチの大物クロソイを釣り上げた。場所は室蘭沖。40センチオーバー3匹が一荷で掛かるなど釣り人憧れの展開も。船釣りの醍醐味(だいごみ)を満喫した。
高田さんは2020年にヒラメ90センチ級、21年6月にはマツカワ60センチ超、同7月に86センチのヒラメなど、毎年のように座布団サイズを上げている。いずれも長万部沖だが、ヒラメシーズンには間があることから今回は室蘭沖でソイを狙った。ポイントは鷲別方面の水深65メートルライン。底に根があり、根魚が居着いている。
ロッドは180号の重りに対応できる腰の強い剛竿(ごうかん)だが、先調子で魚信が取りやすい。仕掛けは18号のチヌ針3本仕立ての胴突き。不意の大物に対応できるよう電動リールにPE4号を巻き、餌は紅イカとチカを用意した。
ソイは根掛かりを恐れると攻め切れないが、攻め過ぎると引っ掛かって釣りにならない。「底を取った後は3~5メートル、仕掛けを上げて反応を見るのが大事」と高田さん。ロッドは置きっ放しにせず、時々しゃくって底を取り直し、根掛かりしていないか確かめる。
この日は、魚影の濃淡を見極めて船長が頻繁に釣り場を移動したのがよかった。群れのポイントに当たった際には大物が同時に3匹付いた。ソイの引きは暴力的で、大物だと抵抗はかなり激しい。「電動リールでなかったら上げられなかった。さお先はもう、まるで満月のようだった」と思い出しては満面に笑み。体高約20センチのでっぷりと肥えた大物が鈴なりに付いていた。
この日の釣果はクロソイ32~47センチが10匹。船中のさお頭は13匹で全体に良型がそろった。中にはマダラ80センチ級を釣り上げた人もいたそう。乗り合った全員が大物釣りを堪能した。