気象庁は11日、青森市の青森地方気象台にある桜(ソメイヨシノ)の標本木が観測史上最も早く満開になったと発表した。昨年より9日、平年より15日早い。これで九州から東北にある標本木がすべて満開となり、桜前線は記録的な速さで北海道に北上することになった。
今春の桜の開花は3月14日の東京都心からスタート。中国から東北にかけての大半の地点で開花や満開が観測史上最も早くなるか、過去の記録に並び、九州や四国もほとんどが平年より早かった。盛岡市の4月6日の満開は平年より18日も早かった。
冬に寒さが厳しい時期があり、花芽が順調に休眠から目覚めた上、3月は中国から東北で平均気温が統計史上最も高く、4月上旬も暖かい日が多かった影響とみられる。同庁によると、桜の開花は温暖化で早まる傾向にある。
青森県の桜の名所、弘前公園(弘前市)では祭りの準備が進んだ。同市の菊地謙太郎広聴広報課長は、史上最も早い満開発表に「びっくりしている。観光客はゴールデンウイークに合わせてくれるのが一番いいのだろうが、市民は冬から待ちわびてうれしいと思う」と話した。