衆院千葉5区、和歌山1区、山口2、4区の4補欠選挙が11日に告示され、与野党対決の構図がそれぞれ確定した。6日告示の参院大分選挙区補選とともに23日に投開票される。物価高への対応や防衛費増、少子化対策が主な争点。岸田政権の中間評価が問われ、結果は岸田文雄首相の衆院解散判断にも影響する可能性がある。
千葉5区は政治資金規正法違反事件で薗浦健太郎元衆院議員=自民離党=が議員辞職したことに伴う。自民、立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主、政治家女子48各党が候補者を擁立した。
和歌山1区は、岸本周平元衆院議員=国民離党=の和歌山県知事転身を受けた補選。自民元職と維新、共産、政女の新人が立候補を届け出た。
岸信夫前防衛相の議員辞職による山口2区は、自民新人と、立憲の一部や共産が自主支援する無所属元職の一騎打ち。安倍晋三元首相の死去に伴う山口4区は、自民、立民、政女が候補を立てた。
自民党の茂木敏充幹事長は11日、千葉県市川市の街頭演説で「安全保障や物価高対応、経済再生、少子化対策といった課題の解決には政治の安定が不可欠だ」と主張した。同党は5補選とも公明党の推薦を受ける。
立憲の泉健太代表も同県浦安市の街頭に立ち、物価高や非正規雇用、賃上げなどの問題に言及。「防衛予算だけ優先させていいのか。皆さんの生活を守らなければいけない」と訴えた。
統一地方選前半戦で躍進した維新は和歌山1区補選に注力。馬場伸幸代表は演説で防衛力強化の増税に触れ、「自民党はたがが緩んでいる。国民につけを回す」と対決姿勢を強めた。
共産党の志位和夫委員長は市川市の街頭で「(政権の防衛力強化方針は)戦後の国の在り方をすっかり変えるとんでもないことだ」と強調。国民の玉木雄一郎代表は浦安市で演説し、「教育国債発行で教育、科学技術、子育て予算を倍にすることしか日本復活の政策はない」と語った。