数日前「期日前投票」という制度を初めて利用した。仕事柄、選挙や制度のあれこれを取材し、記事にしてきたが投票日以外の日に投票したのは初めてだ。
複数の病気の宣告を受け、投薬と定期検査を受ける身。体力回復の訓練は続けているものの、まだスタスタとは歩けない。統一地方選は、以前から期日前投票を行っている知人夫婦が車に同乗させてくれることになった。当日、投票会場に着くと、玄関に空いた車いすが1台あった。操作は選管の職員と思われる青年がしてくれた。あらかじめ記入しておいた期日前投票の申込用紙を示して受け付けを済ませ知事選、道議選の順で投票用紙を受け取り、候補名を書いて投函した。「ごくろうさまでした」の声にお礼を言って退室するまで、わずか10分ほど。
病気に、いろいろなことを考えさせられる。投票所までの距離の遠さや到達への困難、転倒の恐怖―。この困難や恐怖を避けるために棄権する人が、どれだけいるのだろう。投票率の低下は関心や争点の有無で分析されることが多い。十勝管内士幌町では今回、投票箱を載せたワゴン車を高齢者の自宅前まで走らせた。全国初の試みは高齢者に好評のようだ。人口減少で郡部の投票所が減っている。対策はきっとまだある。考えたい。(水)