4 IR誘致に断固反対 戦争への 危機感強く 西村 俊寛氏(62) =無所属・新=

  • 候補は訴える 2023道議選, 特集
  • 2023年4月7日
「反対の人間がいることを示す姿勢が大切」と西村氏

  「反対の人間がいることを示す姿勢が大切だと思った」―。無投票の公算が大きかった道議選の告示が3日後に迫る中、記者会見を開いて立候補への思いを口にした。支援組織がなく、選挙ポスターは告示日にようやく完成。3日かけてすべての掲示板に貼り終えた。名前入りのたすきや「選挙カー」なども自分で用意しながら、独自の選挙戦を繰り広げている。

   苫小牧東高校卒業後、明治大学工学部を経て、1985年に埼玉県の精密機械部品の製造会社に入り、エンジニアになった。シンガポール勤務などを経て2003年に退社。自ら合資会社を立ち上げたり、生命保険会社に勤務したりしていたが、07年から無職。日本人の研究をライフワークにしてきた。

   政治の世界とは無縁だったが、昨年6月の苫小牧市長選に初挑戦。無投票濃厚の流れに異を唱え、急転する形で選挙戦に持ち込んだ。岩倉博文市長の政策を自ら分析し「カジノ問題など納得できないことが8~9割。何も言わなければ、そのまま通ってしまう」と被選挙権を行使した。落選したが、1万7千票余りを得た経験が、今回の立候補の背中を押した。

   さらに現政権による防衛費増額や敵基地攻撃能力の検討などの動きに、戦争への危機感を強くしたことも出馬理由で「国政も道政も市政も全てつながっている」が持論。道議選苫小牧市区が無投票だと自民党、公明党、立憲民主党の各公認候補で、与党と野党が2対1になるため「政権与党の追認になる」と判断した。「戦争反対」との姿勢を示すため、公約には憲法9条堅持なども盛り込んだ。

   観光客誘致策として「北海道バイブルアイランド構想」を打ち出す。自らの研究で「道内には聖書に関わる地名が多いことを発見した」とし、「国内外に発信すれば、多くの人を呼び込める」と力説。さらに「二酸化炭素が地球温暖化の原因というのは間違った考え方」と主張し、国内で産出される石炭の火力発電を積極活用するよう提案する。

   カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致は「地域や家庭を破壊するので、断固反対。鈴木直道知事がIR誘致申請を見送ったことには感謝している」という。人口減少対策には「男女が愛し合うことが必要。大人と18歳未満の恋愛行為に罪悪感を抱かせる社会の風潮はおかしい」とし、道青少年健全育成条例の見直しの必要性を訴える。

 (終わり)

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