豆は畑の肉と言われ、今は大豆で作られた加工食品が「大豆ミート(肉)」という名で市場に出回っている。油分を絞った後の大豆かすに手を加え、味や食べ応えを肉に似せたもので、ハンバーガーなどに利用されている。
肉といえば、牛や鶏の細胞を栄養成分の入った液体の中に入れ、食べられる大きさになるまで増やす「培養肉」の研究も進んでいる。製法は人工的だが、元をたどれば肉であり、料理への活用方法も現在研究されている。
大豆かすはぱさぱさしているが、大豆ミートには食感やジューシー感があるという。培養肉もある程度の大きさになったものは、かみ応えやうま味を感じられるようだ。ただ、いずれもおいしくするために、最低限とはいえ添加物などが使用されるので、個人的には本来の牛肉、豚肉、鶏肉に安心感を覚える。
代替肉の研究・開発の背景には、家畜から温室効果ガスが排出されるなど畜産業が地球環境に深刻な影響を与えていることや、世界の人口が増え続け、近い将来、食糧不足になると推測されていることがある。肉をなかなか食べられなくなれば、代替肉はあっという間に普及すると予想されるだけに、安心安全な食を確保していく難しさを感じている。(林)