「いぶり・ひだかで鳥発見!」を連載させてもらう日本野鳥の会苫小牧支部で副支部長を務めている小林誠です。バードウオッチングを始めて約10年。これまでに200種近い野鳥を胆振・日高で観察してきました。そんな私のこの連載を通じて、バードウオッチングが身近なものになればよいなと思っています。
早速ですが、春はバードウオッチングを始めるのに最適なシーズン。草木などが生い茂っておらず見通しが良いことや色とりどりの野鳥が多く、発見しやすい季節なのです。そんな春を代表するような野鳥がこの「コマドリ」。
きれいな色はもちろん、美しい声で鳴くこともあり見つけやすいのが特徴的。落ち葉の裏などに潜む虫などを探していることも多く、少しじめっとしたような場所で出合いやすいです。野鳥探しとなると少し高い場所を見るという印象かもしれませんが、地面をトコトコ歩いているような野鳥も多くいるので、そんな場所を歩くときはそっと歩いてみるとよいかもしれません。
野生生物との出合いには確実はありませんが、こういう環境で出合いやすいというような傾向はあります。それがその生き物の生態とも言えます。落ち葉があったり、少し薄暗かったりする場所は身近な公園などにもあるのではないでしょうか。こういう生態を少し知るだけで今まで何気なく歩いていた場所がバードウオッチングスポットになることも。ぜひ辺りをキョロキョロしてみてください。
これだけお話ししましたが、小林的春のバードウオッチングテーマは「桜の木を探せ」。桜の木は虫が付きやすいと言われ、アブラムシや毛虫など野鳥が好んで食べるものが多くいることがあります。私たちからすると直視し難いものかもしれませんが、野鳥たちからするとバイキング会場といったところでしょうか。お花見のついでに何か動く鳥はいないか探してみると今までとちょっと違うお花見になるでしょう。
(日本野鳥の会苫小牧支部・小林誠副支部長)
※偶数月の第1金曜日掲載。