レッドイーグルス(RE)北海道監督だった菅原宣宏さん(47)の退任が先月31日に発表された。コロナ禍のただ中だった2020~21年は王子イーグルス、次いで21~22年はクラブ化して現名称のチームを日本勢5団体だけで競ったアジアリーグ・ジャパンカップ連覇に導いた名将だ。王子製紙アイスホッケー部現役ディフェンス、その前の駒大苫小牧高生徒当時から記者は取材で接してきた。
先月に幕を閉じたアジアリーグでは韓国のアニャンとレギュラーリーグで二強形成の後、5戦3勝先取で勝利となるプレーオフを行った。激闘は最終戦へもつれ、REは惜しくも負け越し準優勝。このシーズンの間に、配下のある選手の近況を菅原さんに尋ねたことがあった。
得点やアシストの数値だけでなく、臨機応変の的確なプレーや努力、不屈の人柄までを筋道立てて語り、「彼の存在は大きい」と明言した。無数の「貢献」を一つに束ねていこうとした菅原流ホッケー哲学が垣間見えた。19年の就任時、「この集団を大人の集団にする」と宣言したそうで「その目標を達成できたのはこの4年間の収穫」が退任の弁だった。
ホッケータウン・苫小牧出身。闘魂あふれた現役時のプレーもよく思い返す。大任全うを心からねぎらいたい。(谷)