苫小牧港・西港の入船公園で3月27日、クロガシラカレイを狙って釣り倶楽部の担当記者がさおを出した。良型クロガシラが釣れ始めていい時期。早春の西港カレイ情報を読者に届けようと勇んで出掛けたが、結果を出せずにさおを畳んだ。
現地には午前6時に到着。既に2組が入釣し、一等地の角地などで投げ釣りやソフトルアーを使った根魚狙いで反応を探っていた。
釣り倶楽部担当は公園の東端、フェリー埠頭(ふとう)側に釣座を設けた。重り負荷30号、4メートル強の投げざお2本に2号のナイロンラインを巻いたリールをセット。北西の風が5~6メートルとやや強く、ナイロンでも十分に遠投できる。
仕掛けは自作の胴突き2本針仕様。遠投用は下針が重りより20センチほど下になるものにし、近めは下針が重りより20センチほど上になる仕掛けを選んだ。餌はしっかりと水分を抜いた塩イソメとホタテのみみだ。
狙うポイントは、100メートル以上沖の大型船が航行する水深14メートルの深みの水路と、水深がそれより浅くかけ上がりとなる50~60メートル辺り。それぞれに仕掛けを投げ込みカレイの魚信を待った。
前夜、苫小牧はみぞれが降るなどし、この日は寒い朝。活性が低いのか、魚がいないのか、担当の投げざおにも隣の若者グループにも魚信はないまま時間だけが過ぎる。ほどなく角地の釣り人が釣座を畳み、若者らも「東港に行きます」と言って撤収してしまった。
入れ替わりで1組が入釣したものの、見る限り互いに魚信のない状態が続いた。何度か交換した餌は、投げ込んだ時と同じ状態で戻る。釣り始めて3時間、心が折れて撤収を決めた。
この時期の入船公園の取材では、2021年4月5日に千歳市の釣り人が40センチのクロガシラを上げていた。担当も毎年3月下旬から5月にここでさおを出し、クロガシラやアブラコ、随分以前にはマコガレイを釣った。マコはそれと分からずクロガシラと思い込んでいたら、隣の釣り人に「マコだ」と断言された。よく見るとひれの条紋は淡く、両眼の間にうろこがあり、図鑑を調べて納得した。刺し身の味わいは格別だった。
今季のクロガシラは既に東港で釣果が聞かれているが、西港の情報は少ない。4月の声を聞くと本格化するはず。良型カレイが上がる西港の今後が気になる。