心不全患者に対する外来での心臓リハビリテーション(心リハ)の実施が、死亡や再入院の減少に効果的なことが大規模分析で裏付けられたと、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)などの研究グループが発表した。
日本では、高齢化の進行に伴い入退院を繰り返す慢性心不全患者が増えている。運動療法、患者教育、薬物治療などを含めた包括的な心リハは、身体機能の改善や再入院の減少と関連することが報告されている。
研究グループは、日本全体の保険診療データベースから、2014~19年度に心不全で緊急入院した約25万人を対象に分析。心リハの実施の有無でグループ分けし、その効果を検証した。
解析の結果、心リハを受けていない患者に比べ受けた患者(1万7884人、全体の7・1%)は全ての原因による死亡のリスクが36%低く、再入院のリスクが13%低かった。同グループは「外来での心リハの実施率は依然として低く、普及させることが必要」と指摘している。
(メディカルトリビューン=時事)