がん患者の血液を人工知能(AI)の機械学習モデルが解析し、13種類のがんを高精度に区別できるモデルを開発したと、慶応大や国立がん研究センターなどの研究グループが発表した。
血液(血清)に含まれるマイクロRNAは、がんなどの疾患に伴い種類や量が変動する。他のがんに関する指標よりも早い段階で変化が表れやすいため、早期診断への活用が期待されている。
研究グループは、国立がん研究センターバイオバンクなどに保管された血清を用い、13種類の固形がん患者約1万人と非がん・良性疾患患者約6300人のマイクロRNAデータを解析。8割のデータを機械学習モデルに学習させた上で、2割のデータについてがん種を予測した。
診断予測精度を検証したところ、全てのステージで88%、ステージ0~2に限っても90%といずれも高かった。研究グループは、これらのデータと解析に用いた機械学習コードを全て公開し、研究のさらなる活性化に期待を寄せている。
(メディカルトリビューン=時事)