警察庁は27日、事件や事故などの現場を目撃した人が110番した際に、スマートフォンで撮影した映像も送ってもらうシステムを4月1日から本運用すると発表した。昨年10月から、試行運用していた。
警察庁によると、昨年10月~今年2月の試行期間中、動画や静止画で2293件の通報があった。保護・救護関係が半数を占め、情報提供が約18%、交通関係は約16%あった。都道府県警別では、神奈川が412件と最多で、愛知、兵庫が続いた。
試行期間中の実績として、駐車車両からガソリンを盗む容疑者の画像を被害者が送り検挙につながったほか、行方不明になった男児の画像を母親から受け取り、画像を見た捜索中の警察官が男児を発見するなどした。
同システムは、110番通報を受けた警察の通信指令室の担当者が、通報者のスマートフォンなどにショートメッセージサービス(SMS)でアドレス(URL)を送信。URLからログインしてカメラ機能を起動し、撮影映像が指令室に送信され、現場に向かう警察官に送られる。通報前に撮影した画像を送ることもできる。
試行中はURLからログインする際、アクセスコードの入力が必要だったが、より迅速な運用のため4月からは原則入力不要にする。