文化庁が東京・霞が関から京都市に移転し、27日、業務を始めた。東京一極集中是正を目指す地方創生の一環で2016年に決まったもので、中央省庁の本格的な地方移転は初めて。東京にも拠点を残し、オンラインなども駆使して仕事を行う。京都の歴史文化を生かした施策や情報発信が期待される。
新文化庁は、京都府庁敷地内の旧府警本館などに入居。この日は都倉俊一長官ら幹部、先行移転していた職員ら計約70人が業務を開始した。
岸田文雄首相は東京からテレビ会議システムを通じて職員に訓示を行い、「移転は新たな文化行政を進める上で大きな転機となる。文化芸術の底力をいま一度見直し、新しいパワーを生み出してほしい」と要請。また「中央省庁職員の働き方改革の先駆者として、新しい柔軟な働き方を実践してほしい」と呼び掛けた。
他の職員は大型連休中に移り、最終的に京都は約390人体制、東京は約200人体制となる。
今回移転したのは全9課のうち政策課や文化財保護を担う文化財第1課など4課。宗教法人を担当する宗務課も移転対象だが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)対応のため当面の間、東京で勤務する。著作権課など4課は東京に残る。
業務開始に合わせて新看板の除幕式を行い、京都府の西脇隆俊知事や京都市の門川大作市長も立ち会った。