何と慌ただしい春。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本が逆転の連続で優勝を決め、スポーツの熱気を例年になく早く盛り上げた。チームの一行は23日に帰国したが、新聞やテレビの報道を見ると、一瞬で21日までの緊張の時間に引き戻される。決勝戦の札幌地区のテレビ視聴率は50%と記録的な高さ。「感動した」の声が収まらない。
「もしこれが息子だったら、孫だったらと思うと、とても目が離せなくて」。涙目になってテレビの前に座り、選手を見守り続けたお母さんが、多かったようだ。買い物に出掛けたスーパーは客数がいつもより少な目。店内のあちこちでWBC談義が繰り広げられていたとか。
ベンチの選手たちの表情の明るさが心地よかった、選手同士の思いやりの温かさがテレビ画面からも伝わってきた。指導者や選手の何人かが、次の世代の野球少年たちの視線を明確に意識し、分かりやすい言葉で挑戦を呼び掛けていた。
スポーツはこれからが本番。甲子園、大相撲春場所が盛り上がっている。サッカーは新しい全日本チームが始動した。プロ野球の開幕が迫る。統一地方選も始まった。目の前の勝ち負けだけでなく、政治や住むまちの未来を決めるのが選挙だ。諦めず、飽きずに投票所へ。(水)