文系の学問への憧れ 三上(みかみ) 剛(つよし)

  • ゆのみ, 特集
  • 2023年3月25日

 私が旭川高専の学生だった頃、特に印象に残っている社会科の先生がおられた。先生は、ヨーロッパの五つの言語に加え、古代ギリシャ語とラテン語の文献も読解できた。ご専門は「法史学」という分野で、法律に基づく国家体制の変遷などを研究されていた。私と友人数人は先生に強い憧れを抱き、教員室に勝手に押し掛けて弟子入りした。

 どんな学問でも、門外漢がその奥深さを簡単に理解できるものではない。しかし、ドイツ語の文章の読解指導を受け、また、その指導の折に古代ギリシャ・ローマ時代の法律の話を聞いたことで、先生の学問と研究に対する情熱を肌で感じることができた。普段学んでいた工学とは全く異なる異次元の学問であり、当時10代だった私にとって、畏敬の念を抱くのに十分過ぎるほどの経験であった。

 私は高専を卒業する時、「大学に行ったらドイツ語を物にします」などと大口をたたいたが、今考えると赤面の至りだ。英語ですら四苦八苦している私がドイツ語など無理なことはよく分かっておられたに違いない。先生は現在大阪の私立大学で教壇に立っており、副学長の要職にある。関西に出張する機会があったらぜひ再会したい。

 物を扱う工学に長く携わっていると、最終的に人や社会を扱う学問へと関心が移っていくことがあるらしい。ある大学の工学部教授は、定年退職後に神道学を学んだ後、神主になったという。さすがに私は神主になるつもりはないが、退職後は文系の学問を学んでみたい。

 (苫小牧工業高等専門学校教授)

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