寄り添いと諦めは似ている 辻川(つじかわ) 恵美(えみ)

  • ゆのみ, 特集
  • 2023年3月18日

 「必要なのは寄り添い」「寄り添うことが大切」。私は寄り添いという言葉を多用している。そのくせ、具体的に説明したことも、深掘りしたこともないので、今回は私の思う寄り添いについて解説してみます。

 ―寄り添いとは賢さと優しさの集合体である―

 普段からこう考えているのですが、では何をすることが寄り添いに当たるのか。答えのヒントは学生の頃に受けた、とある討論授業から得ました。

 その日のテーマは「大学生に車は必要か? 否か」。7人ほどの少人数で、それぞれの意見を発表する。対立していたり似ていたりする内容に、反発心や悔しさを伴う納得感をくすぐられる。そして全員の発表が終わると、教授からこう指示された。

 「では次に、自分と真逆の立場に立ち、意見を発表してください」。つまり、Yes派の人はNo派にまわり、No派の人はYes派に頭を切り替えて発表しなさい、と。柔軟さがないと減点されてしまうから、自分の意見はひとまず置いておき、先ほどまで対立していた他者を思い、深い考察を巡らせる。そこから魅力的な対話を組み立てる作業。これって「寄り添い」そのものではないか。

 「寄り添い」とは、ある意味「諦め」にも似ている。「自分ならこうするのに」とか「常識的に」というものをいったん諦めて、多様な能力値や生育歴や思想や生き方があることを踏まえ、相手を見下したりばかにしたりせずに「この人ならどう考えるだろう」という思慮深さやユーモアをもって対話すること。それが私の考える賢くて優しい「寄り添い」である。

 (NPO法人木と風の香り代表・苫小牧)

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