参院は15日の本会議で、政治家女子48党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員を、懲罰処分としては最も重い除名とすることを議決した。尾辻秀久議長が除名を宣告し、ガーシー氏は即時議員の身分を失った。国会議員の除名は、衆参通じて72年ぶり3例目で、国会欠席に基づくケースは初めて。
ガーシー氏は昨年7月の初当選以降、一度も国会に登院せず、参院が科した「公開議場での陳謝」の懲罰にも応じなかった。
採決では、自民、立憲民主、公明、日本維新の会、国民民主、共産各党が賛成に回った。
ガーシー氏は芸能界の裏話などに関する「暴露系ユーチューバー」として知られる。参院選では旧NHK党から出馬し、比例代表で28万票余りを集めて初当選。しかし、「海外で活動すると公約した」「不当逮捕の恐れがある」などとして帰国を拒んできた。
ガーシー氏の除名を受け、旧NHK党の比例名簿に従い、繰り上げ当選者が決まる。
憲法58条は、議員の除名について、出席議員の3分の2以上の賛成が必要と規定。除名は国会法が定める四つの懲罰のうち最も重い処分で、過去には1950年に参院で、51年に衆院で1人ずつ除名の例がある。