苫小牧から白老沖のサクラマス釣りが一気に本格化した。この週末は胆振沖で導入されている船釣りライセンス制の定数(10匹)に到達する釣り人が続出し、今季一番の釣況となった。
釣り倶楽部の情報協力船で苫小牧港・西港の遊漁船「かつえい丸」(田代健二船長)は5日午前、白老沖の水深105メートルラインを中心にサクラマスを探った。乗船した6人全員がバケ仕掛けで魚を狙った。
この日は早朝から反応が良好で、サクラマスのほかにマダラやホッケ、スケトウダラ、ソウハチガレイなどもコンスタントに釣れた。特にサクラマスは6人中5人が定数を上げた。
苫小牧沖で20年以上サクラマスを狙っている網走市の重機オペレーター、山崎武志さん(55)もその一人。「2月は4回乗って3~5匹だった。今回はいい日に当たった」と大喜び。4日もかつえい丸に乗り、2日連続での定数。「こんなことがあるから釣りはやめられない」とにんまり。
船釣りが大好きな山崎さん。地元の海が流氷に閉ざされる冬は苫小牧、春から秋はオホーツクの沖に出る。「サクラマスの魅力は引きの強さ。上げる途中でさおを何度もたたく。これがやみつきになる」と楽しげに語った。
今季はスケトウの群れが厚く、マスが掛かる前にスケトウが毛針に付く状態が長く続いた。山崎さんは「釣りは何より折れない心が大事です」と話し、網走から通い続けて物にした会心の釣果に満足顔だった。
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また、5日は98センチの大マダラが上がり、かつえい丸の船中は大いに沸いた。
釣り上げたのは空知管内由仁町の農業、大塚昇さん(39)。さお上げ間近の時間帯、底付近でバケを泳がせて魚を誘っていたところ、途方もない重量感の魚信。想定外の重さと手応えに耐え、慎重に仕掛けを巻き上げると現れたのはマダラの大物だった。測ると目方は10キロ超。この時期、小型のマダラは上がるものの、このクラスは珍しい。定数のマスとともに超の付く大物を上げて船釣りの醍醐味(だいごみ)を堪能した。