国会欠席を続けるNHK党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員は、懲罰の「公開議場での陳謝」を行う予定だった8日の参院本会議を欠席した。与野党は、同氏に最も重い「除名」の懲罰を科す方向で調整。15日にも本会議を開き、正式決定する。
尾辻秀久議長は8日の本会議で、ガーシー氏の対応について「院内の秩序を乱すものだ」と指摘。再び参院懲罰委員会に付託した。同委はこの後の理事懇談会で、15日に委員会を開催することを決めた。
自民党の世耕弘成参院幹事長は「言語道断だ。除名も視野に調整する」と記者団に明言。一方、立憲民主、日本維新の会、国民民主、共産の野党4党は国会内で協議し、ガーシー氏の除名を求める方向で一致した。
国会法は、懲罰を重い順に(1)除名(2)一定期間の登院停止(3)公開議場での陳謝(4)公開議場での戒告―と規定している。海外滞在中のガーシー氏は昨年7月の初当選以降、一度も登院せず、参院は2月の本会議で陳謝の懲罰を科すことを決めた。
ガーシー氏はこれに応じると文書で回答。しかし、今月7日に自身のインターネット交流サイト(SNS)で「(日本に)帰るのは時期尚早と判断した」と一転して出席しない意向を示した。
除名になれば、衆参両院を通じて72年ぶり3例目。憲法58条は、除名について「出席議員の3分の2以上の議決が必要」と定めている。