未曽有の大災害となった東日本大震災の発生から、11日で12年を迎える。一昨年3月11日、被災地の宮城県気仙沼市や同県石巻市の大川小学校を訪ねたことを思い出す。
気仙沼市で出会ったタクシー運転手から、「ここは海抜15メートルくらいあるけど、ここまで津波が来たよ」と当時の状況を聞き、災害の恐ろしさを改めて実感した。石巻市の道の駅では、親族を震災で亡くしたという高齢の女性が「震災のニュースは当時を思い出してしまうので見たくない」と語り、胸が締め付けられる思いがした。
道は2021年7月、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に伴う津波の新たな浸水予測を公表。これに基づき、苫小牧市も津波ハザードマップの改訂を進めてきた。海溝沿い地震の発生は切迫しているとされ、東日本大震災は人ごとではない。震災を教訓にした防災強化が求められる。
東北に悲劇をもたらした「3・11」が近づく。一人ひとりが改めて災害への備えを考える日としたい。(陣)