アイスホッケーアジアリーグ2022~23は4、5の両日、白鳥王子アイスアリーナ=苫小牧市=などで6試合が行われ、レッドイーグルス北海道は栃木日光アイスバックスと対戦し1勝1敗。レギュラーリーグを2位で終え、9日からの栃木日光とのプレーオフセミファイナルに挑む。
5日
▽8回戦(白鳥王子アイスアリーナ)
栃木日光アイスバックス4―3レッドイーグルス北海道
▽得点者【日】鈴木健(鈴木雄、坂田)宮田(斉藤、清水)宮田(坂田、斉藤)宮田【レ】中島(佐々木、高橋)中屋敷、中島(佐々木)▽GK【日】ベンガート【レ】小野田▽シュート数【日】25【レ】26▽反則【日】4分【レ】6分▽パワープレー得点【日】0【レ】0▽キルプレー得点【日】0【レ】0▽観客数1876
第1ピリオドはレッドイーグルスが2点を先制し優位に進めるも、第2ピリオド1分すぎからの連続2失点で流れは日光へ。第3ピリオドで中島がこの日2ゴール目の同点弾を決めたが延長でも勝ち切れず。
▽同(KOSE新横浜スケートセンター)
横浜グリッツ3―0ひがし北海道クレインズ
▽同(FLAT HACHINOHE)
東北フリーブレイズ2―0HLアニャン
4日
▽7回戦(白鳥王子アイスアリーナ)
レッドイーグルス北海道3―2栃木日光アイスバックス
▽得点者【レ】髙木(山田、大澤)高橋(橋本、中屋敷)入倉(三田村、山下)【日】佐藤(坂田、清水)鈴木健(古橋)▽GK【レ】成澤【日】福藤▽シュート数【レ】43【日】14▽反則【レ】4分【日】6分▽パワープレー得点【レ】0【日】0▽キルプレー得点【レ】0【日】0▽観客数2086
試合開始から息つく間もない攻防となったが、レッドイーグルスはなかなかチャンスを生かし切れず。第1ピリオド残り15秒に先制されたが、第2ピリオドで髙木がリバウンドをたたいて同点。1点ビハインドで迎えた最終ピリオドは残り5分から高橋、入倉が連続ゴールを決めて逆転勝利を収めた。
▽同(KOSE新横浜スケートセンター)
横浜グリッツ4―3ひがし北海道クレインズ
▽同(FLAT HACHINOHE)
HLアニャン5―0東北フリーブレイズ
◇選手が応えてくれた
栃木日光アイスバックス・藤澤悌史監督 きょう(5日)は勝ち切れた。きのうは逆転で悔しい負け方だったが、プレーオフのためのホッケーにシステムを切り替えながら結果を求めたら、選手がそれに応えてくれた。9日からのセミファイナルではミスを極力少なくしてシンプルなプレーを徹底して力強く戦いたい。
―「リーグ優勝で恩返しを」 FW・百目木 引退セレモニー
5日の試合後、レッドイーグルスのFW百目木政人の引退セレモニーが行われた。勇姿を目に焼き付けようと、白鳥王子アイスアリーナには1800人を超えるファンが詰め掛けた。
公式練習では、レッドイーグルスの選手全員が背番号7のユニホームを着用。百目木のアップを全員が追い掛けて行った。
今季は思うような出場機会に恵まれなかったものの、この日はさっそうとリンクへ。懸命にプレーする姿に、会場からは何度も拍手が湧き起こった。GWSでは1番手を務め、股下を狙うも相手GKに阻まれてゴールはならなかった。
試合後には2002年に当時の王子製紙アイスホッケー部に同期入団した栃木日光アイスバックスのFW斉藤哲也から花束が手渡された。
セレモニーでは数々のゴールシーンや盟友たちからのメッセージ動画がビジョンに映され、百目木のみならずチームメートも涙を流した。スピーチでは「大好きなアイスホッケーをここまで続けられ、悔いはない。第二の人生も自分らしくまい進したい」とあいさつ。家族から花束が手渡され、ファンに手を振りながらリンクを1周した。
セレモニー後、報道陣の取材に「まだ試合も残っているので実感はないが、寂しい気持ち。リーグ優勝が自分にできる最後の恩返しだと思って、プレーオフに臨みたい」と語った。
―栃木日光・FW斉藤 盟友引退に感慨深げ
レギュラーリーグ最終戦を終えた日光のFW兼アシスタントコーチの斉籐は「百目木がいたから自分もここまでやれている」と引退セレモニーを迎えたレッドイーグルス(RE)一筋の盟友でライバルの節目に感慨深げ。自身は釧路出身。苫小牧が地元の百目木とは駒大苫小牧高に同期入学して出会い、トップリーグチーム出発点となった王子製紙に2002年にそろって入団し、伝統のエース格の背番号「16」を斉籐、「7」を百目木が引き継いだ。「チームメートや家族に感謝は尽きないでしょう」と友の心境をおもんぱかった。プレーオフセミファイナルでは改めてREと対峙(たいじ)する。「ワンシフトごとに集中していくだけです」と戦士の顔に戻った。
―REH、プレーオフ初戦へ照準
レッドイーグルスは30勝10敗でレギュラーリーグ40試合を終えた。菅原監督は「けが人が多く苦しいシーズンながら、30勝を積み上げられた」と振り返った。今カードはプレーオフセミファイナルと同じ会場・相手ということもあり、短期決戦に向けたセットの組み替えも試験的に行った。選手の持ち味を最大限に生かせる戦力で敵を迎え撃つ。
DF橋本主将は対栃木日光戦の鍵を「1セット目をいかに勢いづかせないか」と語る。素早くプレッシャーをかけ、相手の攻撃時間を減らしてミスを誘いたいところ。
人気アニメ「ゴールデンカムイ」とのコラボレーションデーだった4日は、クラブ史上最多の2086人を動員。大観衆の前で決勝点を決めたFW入倉は「また来たい―と思ってもらえるような試合をしたかった。勝ち切れてよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。