新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げた後の医療費について、政府がウイルス検査や陽性確認後の外来診療を原則として自己負担とする方向で検討していることが2日、分かった。自治体などと調整した上で10日にも正式決定する。
新型コロナは現在「2類相当」に位置付けられており、同法に基づき検査費や入院費などは公費で負担している。政府は5月8日の「5類」への引き下げに伴い、公費負担を段階的に縮小して自己負担額をインフルエンザ並みとするなど医療体制を見直す方針だ。
政府の試算によると、新型コロナの初診料は窓口負担3割の場合で2590円程度。5月8日以降は最大4170円となり、インフルエンザの初診料4450円と同程度となるよう調整している。
入院費も自己負担を求めるが、軽減措置として一定額を補助する。コロナ治療薬は10万円以上と高額のものが多いため、5類移行後も公費負担を続ける。いずれの軽減措置も9月末を期限とし、今夏の感染状況を踏まえて延長するか判断する。
患者の受け入れ体制もインフルエンザ並みを目標に拡充する。外来は約4万2000施設から約6万4000施設に、入院は約2000施設から約8200施設に増やす。一方で、コロナ病床を事前に確保した医療機関に支給する「病床確保料」は減額する。
高齢者施設の職員らを対象とした無料検査などの支援は継続する。重症化リスクの高い高齢者の入院先を確保するため、受け入れた医療機関への新たな診療報酬の加算措置も検討している。