第11回女子日本アイスホッケーリーグ(スマイルリーグ)ファイナルトーナメントが24日、帯広の森アイスアリーナなどで開幕した。道路建設ペリグリンは5―2で釧路ベアーズに勝利し、2連覇へ弾みをつけた。トヨタシグナスも19―0でVORTEX SAPPOROを完封して初優勝に向け好発進した。
SEIBUプリンセスラビッツは7―0で高須クリニック御影グレッズ、Daishinは5―0で札幌インフィニティーズに勝ち、4強がそろった。
大会は日本アイスホッケー連盟主催。全国から10チームが出場し、10月から2カ月にわたりリーグ戦を展開。2次リーグの順位に基づく組み合わせによるトーナメント戦で優勝を争う。
▽準々決勝
道路建設ペリグリン5―2釧路ベアーズ
▽得点者【道】小池(高、細山田)本部(輪島)鎌田(大滝、北村)大滝(細山田、福澤)ラック陽(小池、早川)【釧】青木(小西)青木(小西)▽GK【道】増原【釧】佐藤め
道路建設は第1ピリオド4分すぎにDF小池のゴールで先制。1ピリオドこそプレーに硬さが見られたが修正。シュート数54―16と攻めの姿勢を崩さず、各ピリオドで得点を重ねて勝利した。
トヨタシグナス19―0VORTEX SAPPORO
▽得点者【ト】伊藤(石田、桜井芽)石田、桜井芽(石田、志賀葵)佐々木愛(清川瑠)佐々木愛(北野)志賀葵(石田、桜井芽)三浦(田邊、垣原)清川采(志賀葵、伊藤)三浦(垣原)石田(志賀葵、伊藤)清川采(北野、佐藤)伊藤(垣原、志賀葵)伊藤(石田、清川采)田畑(三浦)田邊(小本)垣原(三浦)清川瑠、田邊(三浦、垣原)垣原(佐々木愛)▽GK【ト】佐々木玲、酒井【V】大畠南
トヨタシグナスは序盤から多彩な攻撃を展開し、第1ピリオドで一挙10点を奪った。その後も試合の主導権を握ったままリードを広げた。
SEIBUプリンセスラビッツ7―0高須クリニック御影グレッズ
Daishin5―0札幌インフィニティーズ
▽1回戦
VORTEX SAPPORO5―1帯広クレインズレディース
札幌インフィニティーズ4―2中学選抜
―道路建設 決定力に課題も流れつかみ勝利
第9回大会に続く連覇が懸かる道路建設ペリグリン。寺尾幸也監督は「最初はプレーが硬く、選手の焦りを感じた。流れをつかんでからはパックコントロールも安定し、60分を通して勝ち切れた」と話した。
試合は緊迫した状況が続いた。第1ピリオドのシュート数は25―3と圧倒したが1―1の同点。「シュートを打つ際に躊躇(ちゅうちょ)が見て取れた。タイミングが遅れることで何度も相手選手に当ててしまいゴールまで届かせることができなかった」と決定力に課題を挙げた。
この試合のゲームベストプレイヤーに選出されたDF小池。積極的な攻撃参加を見せ、第1ピリオド4分すぎに強烈なシュートで左肩口を射抜いた。「チャンスを決め切れなかったり失点の時間帯が悪くて苦戦した。課題が残る内容だったがゴールに向かう姿勢は良かった」と振り返った。トヨタとの一戦を前に「2連覇を達成することはチームにとって大きいもの。なんとしても勝ち上がって優勝を果たしたい」と闘志を燃やしていた。
― トヨタ 悲願の初優勝へ手応え
悲願の初優勝へ―。19―0の圧勝で白星発進のトヨタシグナス。今隆之監督は「第2ピリオドに少し崩れたが最後まで集中力を切らさず戦えた」と手応えを口にした。
この日はFW垣原がバースデーゴールを挙げベンチから歓声が上がった。「チームの雰囲気はとても良く、気合も十分」。道路建設との大一番へ「失点をとにかく最小限に抑えて戦いたい。残った4チームの差はほとんどないと感じているので、力を出し切って勝利を物にしたい」と意気込みを語った。
プレーに波がなく、安定して頼れる主将―と今監督がたたえるFW伊藤はこの日3ゴール2アシスト。歴代5人目となる大会通算100ポイントも達成し好調ぶりを見せた。「個人的に達成したかった目標だったので素直にうれしい」と笑顔で話した。
終始攻撃の手を緩めず力の差を見せつけた初戦。どこからでもゴールに向かう姿勢にチームの一体感がにじみ出た。伊藤は「主将としてプレーや声出しでチームを引っ張ってきた。選手全員が互いに良い影響を与え合っている。泥くさく勝利にこだわって決勝へ進みたい」と負けられない戦いに準備は整った。