マナーという言葉は、「その場面でしかるべきとされる行儀・作法」とあり、日常生活にも多くのマナーがある。
例えば、サウナ室は落ちた汗を拭き取ってから出る、水風呂は汗を流してから入るという注意書きがある。でも、誰かがやらないとマナーのつながりも途絶えてしまう。
おそらく多くの利用者は、汗だらけのサウナ室や水風呂を好んではいないと思うので、次の人のためにという心配りがあれば、みんなが気持ち良く利用できるはずなのにといつも感じる。
では、時間指定の宅配荷物にもかかわらず、留守にして受け取らなかった時はどうだろう。私もたまにやってしまうことがあり、早めに連絡を入れるとか、再配達時にお手数をお掛けしましたと一言添えればと思うのだが、残念ながらできていない。
ただ、小柄な女性ドライバーに、500ミリリットルのビール缶24本入りの荷物を持たせ、何度も急な階段を上り下りさせてしまった時は、申し訳なく思ったし、息も絶え絶えなのにも笑顔で応じてくれたことが忘れられない。
さすがに、トラックの音にじっと耳を傾け、インターホンが押される前に扉を開けて、「待ってました。ありがとうございます」と言うのも、ちょっとやり過ぎかなと…。
いずれにせよ、マナーとは相手や周囲を不快にさせない思いやりである。そうした振る舞いが自然にできるように心掛けたい。
(苫小牧信用金庫常勤理事)