うちのお父さん ゆのみ 押部(おしべ) 直樹(なおき)

  • ゆのみ, 特集
  • 2023年2月21日

  父もいい年なので、元気なうちにいろいろ話しておこうと考え、父とのことを思い出してみました。

   若い頃の父は建築系の仕事をしていました。自分で作ることが好きな人で、僕が幼い頃には家の裏に離れを建てました。車いじりが大好きな僕が22歳の時、雨でも夜でも車をいじれるようにガレージを建てたいと相談すると、喜々として一緒に建ててくれ、奥にエンジンを組むための部屋も作ってくれました。遊んでもらった記憶が少ないのですが、一緒に家の改修をした思い出は他にもたくさんあります。

   趣味は陶芸で、僕が幼い頃に始めて、まきで焼く陶芸窯も庭に作っていました。「直樹も何か作れ」と粘土を渡されて作ったのですが、粘土の空気を抜かないといけないことを教えてもらってなかったので、焼くと全部割れました。その後、母が天気の良い日に陶芸窯を使い、まきでラーメンを作ってくれて外で食べたことの方が印象に残っています。

   不思議なことに、父に遊んでもらった数少ない出来事を思い出すと、涙が出てきます。父はまだ元気だし、普段から会話はしないのに自分でも不思議です。

   なので父と昔話をするのはやめました、父の前で涙ぐむのは恥ずかしいですし、父の前で思い出話をして泣いたりしたら、父が「え! ワシ死んじゃうの?」って勘違いします。

   でも、このままでは父がいなくなった時に後悔するので、小まめに帰省して会う回数を増やしていきます。

  (苫小牧市のぞみコミュニティセンター館長)

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