文部科学省は10日、新型コロナウイルス対策のマスク着用を巡り、卒業式については同日以降、児童生徒や教職員は着用しないことを基本とする方針を決め、全国の教育委員会などに通知した。国歌斉唱など大勢で声を出す場面や、卒業式に参加する保護者らには着用を求める。
政府は同日、マスク着用について、3月13日から新たな指針を適用し、屋内外を問わず個人の判断に委ねる方針を決めた。ただ、卒業式は子どもの表情を確かめるなどの教育的意義があるとして、より早い時期に外せるようにした。
学校現場全体では4月1日からマスクの扱いを変更。同日以降は合唱や体育、部活動も含めて着用を求めないことにする。同省幹部は「ほぼコロナ流行前に戻るイメージだ」と話した。
政府の方針では、4月以降も着用を希望する児童生徒に配慮することを教委などに求めている。永岡桂子文科相は10日の記者会見で「マスクを外せと強制することはない」と強調した。