【カフラマンマラシュ(トルコ)時事】トルコ南部で6日に発生した大地震による死者は9日、隣国シリアと合わせて2万1000人を超えた。行方不明者の生存率が急激に下がるとされる「発生から72時間」が過ぎたが、懸命の捜索活動が続いた。
トルコ・メディアなどによれば、トルコではこれまでに、1万7674人の死亡が確認され、負傷者は約7万人。エルドアン大統領は9日、「この地域で歴史上経験したことがない最悪の地震」と語った。AFP通信によると、シリア側では3377人の死亡が確認された。
ロイター通信によれば、トルコ南部アンタキヤでは、がれきの中から2歳の男の子が救出された。地震発生から79時間後のことだった。ただ、別の場所で捜索活動に参加するボランティアの男性は地元メディアに、「生存者を発見する可能性は次第になくなってきている」ともらした。
内戦下のシリアでは、アサド政権と対立する反体制派地域への国連の支援が課題となっている。グテレス国連事務総長は9日、地震の影響で中断されていたトルコ側からの支援物資搬入が再開したと発表。その上で「大規模な支援が必要なのは明らかだ」と述べ、搬入経路の拡大を訴えた。