1月4日、苫小牧市でパートナーシップ制度の運用が始まった。法律上は結婚できない同性のカップルらが、婚姻と同等の関係にあることを市が認める制度で、これまでに3組がパートナーシップを宣誓した。
このうち、2組の宣誓の場面に立ち会わせてもらった。共通して「これでようやく、自分たちの存在が認められる」と語っていたのが印象的だった。
多様性が叫ばれながらも、社会の捉えは「体の性と心の性は同じ」で、「好きになる相手は異性」という前提の下に成り立っている。現行の婚姻制度がそれを端的に表している。この前提に当てはまらない人は「少数者」であると同時に、「いない存在」として扱われ続けてきた。
今月、衆議院予算委員会で岸田文雄首相が同性婚の法制化に対し、「社会が変わってしまう」などと否定的な姿勢を示した。誰もが生きやすい社会への変革は、果たして良くない出来事なのだろうか。今後の議論に注目していきたい。(百)